The Joy of Wood
薪を楽しむ
薪がなければ、炎も、あのやわらかな暖かさも生まれません。
薪は火の質や炎の表情を左右する、大切な存在です。
このページでは、薪の種類や乾燥、薪づくりや調達の方法まで丁寧にご紹介します。
薪を知ることは、火をより深く楽しむことにつながります。
How Firewood Burns
森がくれる薪の個性
広葉樹と針葉樹は燃え方に違いがあります。
それぞれの燃え方や使い分け、薪として活用されている主な木の種類を一部まとめました。
広葉樹と針葉樹の燃え方の違い
- 火付き
- 針葉樹に比べると劣る
- 火持ち
- 火持ちしやすく、熾火になる
- 乾燥時間
- 長い
- 火付き
- 火付けはしやすい
- 火持ち
- 火持ちしない
- 乾燥時間
- 乾燥期間が短い
このような特徴から…
焚き付けは針葉樹で炎を広げ、火が落ち着いてきたら広葉樹へ
Types of Firewood
薪の種類
01コナラ(ナラ属 / 広葉樹)
薪ストーブの定番とされる広葉樹。
火力と火持ちに優れ、心地よい“パチパチ”という音も楽しめます。
ナラは虫に食われにくく、乾燥後も樹皮が剥がれにくいため保存性も良好。繊維がまっすぐで、薪割りもしやすいのが特長です。
02クヌギ(ナラ属 / 広葉樹)
高い火力と、長く続く熾火が特長。
上質な炭の原料としても知られる優秀な広葉樹です。
その理由のひとつが、カリウムの含有量。
燃焼時の酸素消費を抑え、熾火がゆっくりと燃え続けます。
03ヤマザクラ(バラ科 / 広葉樹)
サクラなどのバラ科の木は、甘い香りが発生します。
燻製チップとしても、利用されていることで有名です。
重量は重めで、火持ちにも優れています。
04ハリエンジュ(マメ科 / 広葉樹)
別名はニセアカシア。
北米原産のマメ科の帰化植物です。
ナラにそっくりな外見で、見分けるのは難しいのですが、割ると心材が緑っぽい色をしているのが特徴です。
火力・火持ちともに優れています。
05ミズメ(カバノキ科 / 広葉樹)
別名はヨグソミネバリ。梓(あずさ)という呼び方も有名です。
堅く粘り強い性質をもち、かつては弓材として使われてきた木。カバノキ科で、見た目はサクラによく似ています。火力・火持ちともに優れた、扱いやすい薪材です。
06クマシデ(カバノキ科 / 広葉樹)
薪炭林でもし生産出量が多いじ樹種なので、雑木扱いされます。
シデの他の種類に、イヌシデやアカシデ(別名ソロ)というのもあります。
薪として優秀です。
07オニグルミ(クルミ科 / 広葉樹)
クルミ科の木はとても軽いのが特徴です。
軽いため、火力が弱いと思われがちですが、クヌギに負けない火力を持っています。
軽くて火力が高いため、火持ちはやや控えめです。
08クリ(ブナ科 / 広葉樹)
燃やすとよくはぜる薪。
大きな音と火の粉が出るため、囲炉裏には不向きです。導管が大きく空気を多く含むため、“パンッ”と弾けます。
その点に注意すれば、火力・火持ちに優れた薪材です。
09シラカバ(カバノキ科 / 広葉樹)
とても軽く、コルクを思わせます。
樹皮には油分を含んでいますので、焚き付け材としても優秀です。
着火性の良さは広葉樹でトップクラスですが、その分、火持ちは劣ります。
10アカマツ(マツ科 / 針葉樹)
松ヤニを多く含み、強い火力を生み出すため、陶芸の窯焚きで重宝されます。
ただしこれは高温を必要とする特殊な用途での特性です。
薪材としては、火持ちはやや短めです。
11スギ(ヒノキ科 / 針葉樹)
成長の早い針葉樹は、建築材などに活用されるため、全国に大量に植林されました。
それらの理由から、木材価格も安価です。
火力が非常に高く、着火性能も抜群なので、早く暖をとりたい時には最適です。
12モウソウチク(イネ科 / 竹)
タケはヤシと同じ被子植物単子葉類なので、実は分類学的には広葉樹に近いです。
しかし、中が空洞であるため、燃焼特性は針葉樹を極端にしたようなものになります。
火持ちは極端に短いですが、火力は非常に高いです。
木の種類を知ることで、薪ストーブの楽しみ方の幅が広がります。
使用する燃料にこだわることができるのも、薪ストーブならではの豊かな魅力です。
The Joy of Wood
薪を楽しむ
ここでは、簡単な薪割りの方法や乾燥の大切さをご紹介させていただきます。
1.斧を使う 2.薪割りのPOINT 3.薪を乾かす
それぞれについて解説していきます。
Axe Work for the Fire
斧で薪を仕立てる
斧を振り下ろし、原木を薪へと変えていく…その作業には、全身を使う心地よさがあります。薪割りの魅力に惹かれて薪ストーブを導入する方、オーナーになってからその奥深さに魅了される方は少なくありません。
自らの手で日々のエネルギーを生み出し、冬支度を整える喜びは、自給自足ならではの豊かな充足感をもたらしてくれます。
コツを掴み、思い描いたとおりに薪が割れた瞬間の爽快さは、何ものにも代えがたいものです。
技術を磨き、薪を割り、火を灯す。その一連の営みとともに、薪ストーブのある暮らしをどうぞお愉しみください。
安全に、気持ちよく薪を割るために
【 安全のための準備 】
体格に合った斧を選び、保護メガネ・滑りにくい革手袋・安全靴を着用します。
必ず周囲に人や障害物がないことも確認しましょう。
【 構えと立ち位置 】
足は肩幅よりやや広めに開き、両腕を伸ばして刃を原木の中央に合わせます。
万が一空振りしても、刃が足ではなく薪割り台に向かう距離を保つのがポイントです。
【 振り方のコツ 】
斧は体の正面あら頭上へまっすぐ振りかぶり、腕の力で叩くのではなく、膝を落として体重をストンと乗せるイメージで。原木のその先を断つつもりで振り抜くと、気持ちよく割れてくれます。
斧に慣れると、心地よく薪割りを楽しめます。
焚き付けには牛乳パックや割り箸など、身近なものも活用できます。
薪づくりとともに、暮らしの中の小さな工夫も楽しみのひとつです。
Seasoning Firewood
薪を乾かすということ
乾燥した薪が、ストーブの性能を引き出します。
十分に乾いていない薪は不完全燃焼を招きやすく、煙や臭いが増え、煤によって煙突が詰まる原因にもなりかねません。
薪づくりは手間も時間もかかります。
それでも、自分の手で原木を割り、季節をかけて乾かし、やがてそれが暮らしの熱になる。
その一連の過程には、ほかでは味わえない充実感があります。